こんにちは。ミユです。
最近フリーランスになりました。
コロナが流行しているこのタイミングでフリーランスになったこともあり、周りの人から、「フリーランス大丈夫?」とよく聞かれます。
私の話でいうと、今のところは新規の案件の相談もいくつかいただいたり、仕事が減っているという実感はありません。
しかし、この先いつコロナが終息するのか、経済はどうなるのか、本当に不透明な状況が続いていますよね。
「アフターコロナは働き方が大きく変わる」
そんな風にも言われています。
私の仕事はこれからどうなるんだろう?
本当に働き方が大きく変わるのか?
変わるとしたらどのようになるのか?
個人的に気になったので色々と調べてみました。
すると、さかのぼること今から約4年程前、厚生労働省のWEBサイトに「『働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために』懇談会 報告書」というタイトルの報告書が掲載されていたことを知りました。
報告書を読んだ上で、気になった箇所をピックアップしてみました。
政府が提言する2035年の働き方
- AIに代替される仕事と人間が得意な仕事に分かれる
- 働く場所や時間に物理的な制約がなくなる
- 正社員という形態がなくなり、複業が当たり前になる
- 働き方の変化に伴い、生涯で「好きで得意な道選び」を支援する教育に変わる
報告書では2035年の働き方となっています。
でも、今回のコロナパンデミックで、もっと近いうちに方向性がシフトする気もします。
今回は、この「働き方の未来2035」の内容をもとに、アフターコロナで私たちの仕事や働き方がどのようになっていくのかを紹介していきたいと思います。
アフターコロナの働き方 AIに代替される仕事とは?
報告書によると、AIの進化によって、「AIがやる仕事」と「人間がやる仕事」それぞれの役割が変わっていくようです。
AIに代替される仕事
AIの進化で仕事はどうなるのでしょうか?
報告書によると、いわゆる「ホワイトカラー」と言われる仕事の多くも、今後はAIに代替されてしまうとの事。
AIが今後、使われるようになる分野は、広告、マーケテ ィングを筆頭に、教育や金融、医療、さらには、法律、人事など多岐に渡る。
人間の仕事を全部代替するのではなく、定型的な業務でかつ、多少の間違いが許容されるような類の業務に関しては代替されるが、それ以外は人間を支援するという形で使われることになる。
「働き方の未来2035」報告書を一部抜粋、要約
要するに、今まで安定とされ人気があった仕事も、定型的な業務であれば今後はAIの仕事になってしまうわけです。
ただ、全ての仕事をAIがやるというよりは、あくまでも「人間の仕事をAIがサポートする」という形のようです。
さらに、一部の職種では、作業全体がAIやロボットに代替されるかもしれない仕事もあるようです。
一方で、警備・防犯、農業、物流、あるいは建築や土木、そして、日常生活における調理や掃除といった領域で変革が起こると考えられる。
この場合は、認識を含めた作業全体を代替することになり、 実際の作業自体を人ではなく機械が行うことになる。
したがって、AIに代替される可能性の高い仕事としては、専門的な知識を必要とするものの定型的な業務である仕事であり、認識や動作の習熟を必要とするものの大域的な判断を必要としないような仕事に関しては、労働の形態が大きく変わる可能性がある。
「働き方の未来2035」報告書を一部抜粋、要約
つまり、専門知識を必要とする仕事でも、定型業務であり、全体を見た判断が必要ない仕事などは、まるっとAIやロボットに代替されてしまうとの事。
本当にそうなんでしょうか・・・。なんとも複雑な気持ちです・・・。
人が得意な仕事
では、どんなものが「人が得意とする仕事」になるのでしょうか。
今後、重要になる仕事の1つは「ヒューマンタッチ」の仕事である。
人間は人間がサービスしてくれることに対して大きな満足を得る。
小売 における接客に関しては、例えば、低価格での提供を主とする業態においては ロボットや機械が対応し、一方で、付加価値の高い業態においては人間が対応するというような分離が考えられる。
「働き方の未来2035」報告書を一部抜粋、要約
サービス業は「価格」や「付加価値」が高いものだけ、人間がサービスする形で残るようです。
ユニクロやGUの店舗のレジや、チェーンの回転寿司など、「価格が安い」ことを売りにしているサービスは、すでにロボット化がかなり進んでいますよね。
もうひとつは起業家である。
AIやロボットにより中間的な仕事が代替され得るということは、逆に言えば企業の経営や企画にかかわるような仕事を人間がやる必要が高まるということである。
その点では、起業は重要な人間の仕事の一つだろう。
「働き方の未来2035」報告書を一部抜粋、要約
人間の仕事は「上流工程だけ」というイメージでしょうか。
起業が重要な人間の仕事の一つというのは、なんとも言えないものです・・・。
そのほか、人間の仕事としては人々のニーズを捉えるサービス開発、商品開発といったところがメインになり、それをロボットや AI を使って提供するといった企業の形態が多くなるのではないかと考えられる。しかも、スピードを有したコンパクトな組織になるだろう。
「働き方の未来2035」報告書を一部抜粋、要約
そして、企画開発の仕事も人間の仕事として残りそうですね。
つまり、
- ロボットではない人の温もりが求められる一部のサービス業
- 起業や企画開発などの仕事
このあたりの仕事は、人間が得意な仕事として残りそうです。
アフターコロナ 個人の働き方が大きく変わる
技術の進化によって、個人の働き方も大きく変わるようです。
実際に、コロナによりすでに多くの人がリモートワークに移行していますが、それ以外にも大きな変化がこれからあるようです。
働く場所と時間に物理的な制約がなくなる
働く場所に関する物理的な制約がなくなり、多くの仕事が、いつでもどこでもできるようになる。
各個人が、自分の意思で働く場所と時間を選べる時代、自分のライフスタイルが自分で選べる時代に変化している事こそが重要である。
「働き方の未来2035」報告書を一部抜粋、要約
多くの仕事でリモートワークが基本となり、働く時間も9時〜18時といった固定時間ではなくなるみたいです。
「成果主義」の強化
リモートワークが当たり前になると、働いた時間の長さではなく成果で評価されるようになってきます。
物理的に同じ空間で同時刻に共同作業することが不可欠だった時代は、そこに実際にいる「時間」が働く評価指標の中心だった。
だが、時間や空間にしばられない働き方への変化をスムーズに行うためには、働いた「時間」だけで報酬を決めるのではない、成果による評価が一段と重要になる。
その結果、不必要な長時間労働はなくなり、かつ、是正に向けた施策が取られるようになる。
「働き方の未来2035」報告書を一部抜粋、要約
評価がよりフェアになるという点はいいですよね。
ただ、仕事で常に成果を出し続けるのは簡単ではないですし、精神的にも追い込まれやすくなってしまいそうです。
「成果主義」とはいっても、一度失敗しても取り返しがきくような、ある程度の「余白」があるといいなと個人的には思います。
「正社員」がなくなる?
個人的には、この内容が一番衝撃的でした。
2035年の企業は、極端にいえば、ミッションや目的が明確なプロジェクトの塊となり、多くの人は、プロジェクト期間内はその企業に所属するが、プロジェクトが終了するとともに、別の企業に所属するという形で、人が事業内容の変化に合わせて、柔軟に企業の内外を移動する形になっていく。
その結果、企業組織の内と外との垣根は曖昧になり、企業組織が人を抱え込む「正社員」のようなスタイルは変化を迫られる。 企業に所属する期間の長短や雇用保障の有無等によって「正社員」や「非正規社員」と区分することは意味を持たなくなる。
「働き方の未来2035」報告書を一部抜粋、要約
つまり、こういうことのようです。
- 企業運営はミッション、目的、期間が明確なプロジェクト運営のような形になる
- プロジェクトにアサインされた人は、プロジェクトの期間だけその企業に所属する
- 全員がプロジェクトごとに企業の内外を移動するため、正社員、非正規社員という区別がなくなる
ほとんどの人が「フリーランス化」するのでしょうか。
今までの常識や価値観が大きく覆されますね・・・。
報告書によると、このように雇用形態が変わることに伴い、法制度や社会保険制度、失業等の事態のためのセーフティネットなどを合わせて整備していくようです。
複業が当たり前に
フリーランスでも、1つの会社から集中して仕事をもらっている人もいれば、複数の会社から仕事をもらっている人もいます。
その様に、今後の働き方は個人が1つ〜複数プロジェクトに従事するのが当たり前になるようです。
一つの会社、一つのプロジェクトに従事する場合もあるだろうが、複数の会社の複数のプロジェクトに同時に従事するというケースも多く出てくるだろう。
一人の働く人が複数の営利的組織、複数の非営利的組織のプロジェクトに所属し、その所属先も時の経過とともに変化するのが当たり前の時代になっていくだろう。
「働き方の未来2035」報告書を一部抜粋、要約
すでに副業や複業をしている人がだんだん増えてきていますよね。
ライスワークではなくライフワーク
これまで「働くこと」は、主に「ライスワーク=生活費を稼ぐための活動」でした。
しかし「働くこと」の意味合いはますます、「ライフワーク=夢や自分が好きなことを追い求める活動」にシフトしていくようです。
2035年には、「働く」という活動が、単にお金を得るためではなく、社会への貢献や、周りの人との助け合いや地域との共生、自己の充実感など、多様な目的をもって行動することも包摂する社会になっている。
自立した個人が自律的に多様なスタイルで「働く」ことが求められる。つまり、「働く」ことの定義、意義が大きく変わる。
「働き方の未来2035」報告書を一部抜粋、要約
単にお金を得るためではなく、個人がそれぞれの目的をもって働ける世の中になるのはいいですね。
そして、そのために必要な能力開発や教育も、どの世代に対しても十分に行われているべき、と報告書には記載があります。
子どもがいることもあり、個人的にはこの能力開発や教育にとても興味があります。
「自分がやりたいことを追い求める活動」を教育面でサポートするということは、今の教育のあり方を幼児教育や小学校教育の時点から根本的に変えるということだと思っています。
詳しくは次の「働き方と共に変化する 新しい教育」でご紹介します。
働き方と共に変化する 新しい教育
働き方がライスワークからライフワークへと大きくシフトするに伴い、教育のありかたも大きく変わるようです。
具体的にどのように変わるのかご紹介していきます。
好きで得意な道えらびを実現する教育
自立した個人が「好きで得意な道選び」をできるようになる教育は、「多様化」という言葉がキーワードのようです。
時代とともに、好きなことも得意なことも多様化していき、今る職業が将来も存在するとは限らず、今は姿かたちのない新しい職業に将来就く可能性もある。
仕事も働き方もますます多様化していく中で、未来ある子どもたちには、無限の可能性が広がっている。
知らなかったから選べなかった、 ということが最小限になるように、教育現場では様々な機会が提供されるよう になるべきで、そのためには現場の裁量である程度の自由度を持ったカリキュラム編成が可能になるべきである。
「働き方の未来2035」報告書を一部抜粋、要約
今はない職業が生まれ、働き方も多様化するため、それに合わせて教育も自由度が高いカリキュラムになるようですね。
個人的に、「好きで得意な道えらび」を支援する教育としてはモンテッソーリやイエナプランのようなヨーロッパではすでにスタンダードになりつつある教育をイメージします。
子ども一人一人の個性を尊重するというのが根底にあるヨーロッパ式の教育のよい点が、今後は日本にも積極的に取り込まれていくのかもしれません。
何度でもやり直せる生涯教育
最近は日本でもキャリアチェンジが以前よりも一般的になってきました。
しかし、現状キャリアチェンジしようとした場合に、通る道は主にこの3つです。
- 未経験で企業に採用してもらい実践を通して学んでいく
- 個人が独学で知識やスキルを身に着ける
- 金額を支払って専門のスクールに通う
今後はこういった生涯に渡るキャリアチェンジのための職業教育を、企業ではなく政府が積極的に担っていく流れになりそうです。
今後特に、重要となってくるのは、働く場所を変えたり、新たな働き場所を探すための実践的、職業的な生涯教育、あるいは職業訓練の提供である。
また、健康寿命が延びていくと期待される中では、一つの企業に一生留まる人は、少なくなると考えられ、キャリアアップ、キャリアチェンジのための充実した職業教育が、個人の側からも一層求められることになる。
「働き方の未来2035」報告書を一部抜粋、要約
今も職業訓練校がありますが、それがもっと幅広い年代、幅広い層に対して開いていくイメージでしょうか。
まとめ
政府が提言する2035年の働き方
- AIに代替される仕事と人間が得意な仕事に分かれる
- 働く場所や時間に物理的な制約がなくなる
- 正社員という形態がなくなり、複業が当たり前になる
- 働き方の変化に伴い、生涯で「好きで得意な道選び」を支援する教育に変わる
いかがでしたか?
今フリーランスという働き方を選択している身としては、政府が提言している2035年の働き方に、大きな違和感はありません。
しかし、実際「生涯、その時に必要なスキルを身につけながら働き続ける」というのが可能なのか、今は想像できない自分もいます。
年齢を重ねると共に頭の回転や記憶力、スキルの習得力は衰えてくるかもしれません。
そういった時にも「余白」が持てる社会であるといいなと願っております。